良い年・2014年
東日本大震災から2年9カ月を経ようとしている。
新聞、テレビなどで知る限り、福島原発問題の解決は遅々として思うに任せない感がある。
諸々の問題を抱え、未だに家族別れ別れになったり、不便を強いられている状況で、震災に遭われた方々には本当に気の毒で言葉の尽くしようがない。
私が住む千葉市は、比較をするのもおこがましく被害と言える程のものではないが、それでも塀が崩れたり、食器が割れたり、ということがあったのである。道路の液状化なども、である。
話は遡るが、震災の翌日、いつも行く鎮守の傍らに控えるように立っておられたお地蔵様の頭がコロリと地面に転がっていた。何時も手を合わせ、親しみを覚えていたので、胸に堪えた。頭を持ち、首に載せようとしたが、見た目より重く、私の力では到底無理で、気に罹りながらも帰宅せざるを得なかった。翌日行ってみると、何方かが載せて下さったのか、頭がしっかりと首の上にあった。首が折れたのだから何処かぎこちない。そのあたりを指で擦ってみたが、その痛々しさ、ぎこちなさは変わらなかったが、何か心温まる思いに、合掌し、振り返りつつ家路をたどった。
そしてあの日から一千日、今は12月半ば、かのお地蔵さまと同じ方角に「三社神社」がある。前述の鎮守のお地蔵様より、もう少し歴史がありそうに見える。古刹と言うところだろうか、よくお参りをするところなので、勝手に私の守護神と決めている。いつも参道を通って参拝をするが、参道と言っても細く短い。その両脇に古くはあったが、石灯籠が立っていた。やはり震災時に倒れ、そのままになっていたのである。その空間は埋めようもなく、寂しいものだった。
今朝、いつもの通り立ち寄ってみると、真新しい灯籠が朝日を受けて毅然と立っていた。私は心がさっと温まって来るようであった。
間もなく正月を迎えようとしている。
2014年はきっと良い年になるだろう。
福島の一日も早い復興を願いつつ、暫し合掌した。
