次男に勝ること
わが家の飲兵衛の息子と娘等の一族が集まると、酒の肴が足りないのか、意識していないのか、どういう訳かよく「うんこの話」になるのである。
特に次男はこの分野は得意とする様で、それを聞く嫁達は「オホホホ・・・」程度だが、他の者は大爆笑している。
何とも高尚な一家なのだ。
ここだけの話だが、私は下痢症なので実はそのネタなら沢山持っているが、食事中のことでもあり、何しろ賢母であるが故に、一、二度注意のみし、話は控えている。
ところが、仲良しの姉には何でも話をする。
「何せ、私は、1年365日お腹をこわしているのだから、その話をさせたら世界一よ。次男と言えど、勝てないだろうなあ。」
と自慢気に言う私に姉は
「何たって世界一は大したものよ。」「本に書けば・・・」
新たな分野で売れるという。
話は変わるが、
私は日本が大好きだ。その最たる理由は、何せ、街には数分歩く都度コンビニがあり、デパート、公園、駅、到る所にトイレがある。お陰さまで安心して外出出来るからだ。
ところが、稀に行く海外には非常にその場所が少ない。外国人はあまりトイレには用がないのだろうか。
インドへ行こうが。フランスへ行こうが、まずトイレに辺りをつけてから行動開始だ。
いつお呼びがかかるか解らないからである。
近隣のアジアの旅、4、5日の場合は、予め下痢止めで完全に止める。3、4日目辺りになると毒素が廻ってくるのか、体調が今一つ本当でなくなる。
これがヨーロッパになると10日前後の旅なので流石にそうは行かない。薬を半分にしてあとは自然に任すしかない。
親も親なら、子も子なのだろうか。尾籠な話になって申し訳ない。
数日後の私と娘の会話
「実はお兄ちゃんに負けないものがあるんだよ・・・。」
「きゃあ止めて・・・」と悲鳴。
かくのごとくして私の本は残念ながらベストセラーどころか、初出版もならず終いになったのである。
狭いトイレに夏はミニ扇風機、冬はこれ又ミニ暖房機、そして必ず本を2、3冊置いている。何せ、お世話になることの多い個室なので、居心地良くしておきたいのだ。
賢い嫁が二人もいらっしゃるので、残念ながらこの立派な話題は次男に譲ることに決めたが、何と言っても知っていることなので、話したくて心がうずうずして来る。
次の休日の食卓が恐い。
物言わざれば腹膨るるがごとしというが、だから、私は腹を毀すのだろうか。
