映画は映画館で観るべし

2014年2月23日 0 投稿者: seiko

私はまれに海外旅行をすることがある。飛行時間がかなり長い十時間位でも無理に眠らないことにしている。じっと目をつむり眠ろうとして眠れないと、かえっていらいらして来ることがあるからだ。本を読んだり映画を観たりしている内に、眠くなったら眠るという程度にしている。

機内には昔は大きなテレビが一つと、小さいのが二つ位あったように記憶している。今はそれぞれの座席に画面があり、音楽に映画にとチャンネルが沢山あって、乗客を楽しませてくれる。サービス向上なのか、便利になったものだとつくづく思う。

映画好きで、日頃も洋画邦画を問わず、結構観ている。そこで見逃せないのが、この飛行機の中での映画の新作ものである。まだ日本では封切もビデオ化もされていない作品が結構あるのだ。ただ残念なのは面白そうだと思っても翻訳されていないものが多数ある。仕方がないので、無声映画のように原語のまま観て解ったような解らなかったような・・・。

気に入ると映画の題名を控え、日本に戻ってからDVDのレンタルショップに走り、もう一度観ることになる。今回も三本のタイトルを控えた。
それにしても残念なのは、あと少し、あと五分で終ろうという時に着陸態勢に入り、映画がそれ迄になってしまう場合である。そうなると、やはり帰国してからDVD屋に駆け込むしかない。

という訳で、飛行時間が何時間かかろうと、機内の映画を楽しみにして来た。画面が近いので目も疲れるが、往復で新作四本の映画が観られるのだ。もうこれだけで得をした気分になっていた。


ところが、である。

今回の飛行時間の十一、二時間は本当に祟ってしまった。とにかく体調が悪いのだ。旅どころではなく、一日中、朦朧としていた。やはりこれは私が年なのだろう。これは無理にでも眠っておく必要があろう。映画を四季観れるなどと有頂天になっている場合ではなさそうである。アルコールを飲み眠るということも思わないではないが、余り好きではないので精々ワイン一杯程度である。何か名案はないものか、一考せねばなるまい。

次の旅まで解答を出さなければならない。

「映画は映画館で観るべし」か。


因みに、最近映画館ではあまり良い映画に出逢っていないが、2月23日、山田太一氏の「時は止まらない」をテレビで観た。東日本大震災から三年、亡くなられた方は本当にお気の毒であったが、残された家族も大変な状況にあり、生きて行くのに必死なのだ。

物語は。婚約していた二つの家族を中心に描かれて行く。中には、いじめの問題にも触れ、なかなか見応えのある作品であった。

いつも人間の機微に触れる彼の作品が、私は大好きである。