正解を探す旅
気が小さいというか、結構クヨクヨと気にする性格である。
「楽に生きる」本の類は結構読んだが、百冊、千冊読もうが、その時理解しても、余り変えられない、というのが性格のように思えて来る。いろいろな表現や言いまわしの違いはあるが、どの本も似たり寄ったり、短絡的に言えば、「人の目など気にするな」、「言いたいことを言え」と私に教えるのである。
気の弱い私でも意を決し実行したことが二度程あった。一度は整骨院でのこと、骨盤調整が上手く行かず、家に帰っても良くなる気配が無い。そこで、「言いたいことを言え」の格言の通り、「先生、何か余計におかしな感じになりましたよ」と、電話を入れた。それから2、3ヶ月後に又、診察して貰おうと電話を入れると、「他所で診て貰って下さい」と、受話器が置かれて切れた。
又、ある日、いつもプールへ行くシャトルバスの中は主婦達の社交の場となっている。いつも煩わしいと思いながら適当に相槌を打っているので、「好きなようにせい」という立派な格言を又々又思い出し、実行してみる。おしゃべりを止め、好きな読書を楽しむこと1ヶ月余り、私の周りから友達が潮が引くように消えて行った。
この二度の体験でまた気を遣う昔の私に戻ってしまった。「言いたいことを言え」と「人の目を気にするな」の格言は、私には当てはまらないようだ。
大先生、正解を教えてくれ!
このようにして、私は又、正解を探す旅へと出るのだった。
