何処に置いたの?
斑惚けというのか、惚けへまっしぐらというのか、あれが無い、これが見えないと、大したものでもないが、メガネ、小銭入れなどよく何処へ置いたのか忘れてしまう。
私の毎日のスケジュールの中に物探しの時間を組み入れておかなければならないほどだ。
何時だったか、文庫本が冷蔵庫に入っていたことがあり、流石の私もこれにはショックを受け、「遂に来たか!」と思った程である。
夫は会社勤めをしているからもう少しマシかもしれないが、似たり寄ったりのことをしているから困ったものである。
ところが私にはジンクスがある。自分が一人で捜し物をしてもなかなか見つからないが、夫に言えば何と大概見つかるのである。本当に不思議なことである。必ずしも夫が見つけ出すわけではない。50・50である。私が見つけることもある。要は夫に「○○が見えなくなった。」と言う。それが肝心なことであり、そう言って捜し始めると良いのだ。
今朝も「眼鏡がない」と私は言い出した。優しい夫が一所懸命に探してくれているから、きっと見つかるはずだ。が、探す前に夫が必ず言う台詞がある。
「何処に置いたの?」
それが解っていたら置き忘れなどあり得ないのに・・・。
