良いお正月

2014年1月5日 0 投稿者: seiko

夫は例年年末ともなると忘年会と言う名のもとに飲み会の連日であった。

その延長線に今度は、家族揃っての年末年始の飲み会がある。

息子娘夫婦はみな酒好きで飲まないのは四才になる孫と私だけである。

そして酒好きの夫は子供等がそれぞれの巣に帰っても、今度は自分一人で盛り上がっている。もうここまで来ると手の施しようがなく、私も諦めざるを得ない。夫に注意も何もしなくなるのであった。

数年前、忘年会の続いた大晦日、案の定と言おうか、予定通りと言おうか、病院行きとなり、流石の飲兵衛も少しは懲りたらしく、それ以来休肝日を設けてやや気を付けるようになった。

そして今年の正月、例年は朝から酒を飲んでいたのに、結婚以来初めて夜しか飲まない夫に出逢った。手持無沙汰に見える夫を「えらいわね。」などと誉めたが、内心何か灯が消えたように私自身寂しく感じられてしまうものがあった。

酒を目の敵のように減らせ〱とあんなに大騒ぎしていたのにである。かと言って勿論、酒を勧める訳にはいかない。

夫にとって東京が勤務地なので、千葉は文字通りベッドタウンである。

何十年住んでいようと純粋に眠りに帰るだけなので最寄りの駅への道以外あまり知らないであろう。

そうだ!いくつかある私の散歩ルートを毎日一つずつ案内するのだ。そうすれば夫は自分の住んでいる街の長所を改めて見出すであろう。こうして考えてみると、此処には小さいながら神社・仏閣も結構ある。近隣を少しずつ巡るのだ。私自身楽しくなって来た。

最終地点は勿論、蕎麦屋か和風レストランである。早速、今日から実行あるのみだ。

という訳で、今年の新春の三日、四日は、この街の案内人となり、夫と連れ立って散策をした。郊外のことでもあり、冬枯れであったが、自然が残り、川には群鴨が泳いでいた。

飲兵衛の夫にもきっと良い正月であったろう。言うまでもなく私にもである。

そう時を待たずに夫の飲兵衛のレッテルも外せそうな気がする。

明日は1月6日、夫は仕事へ、私は主婦へ戻る日である。