社会貢献

2013年10月31日 0 投稿者: seiko

私は禿頭である。俗に言う禿げだが側頭部、後頭部あたりに、まだ名残惜しげにチョボ〱とまだ髪の毛がある。

このようなハンサムぶりを眺めながら、ある時妻は「最初からこんなに可愛い頭になると解っていたら結婚しなかった。」と言うのである。何と言う台詞か!

  • 夏は直陽だから暑いことこの上ない。
  • 冬は毛と言う暖房がないのでこの上なく寒い。
  • 年間通してもてない。

こうして挙げてみると悪いことばかりみたいだが、実は大変良いこともあるのだ。

私は禿で社会貢献しているのだ。

  1. まず、美容室だ。
    理容ではお洒落のイメージがない。髪を切るところなどあまりなく簡単な客なのだ。それなのに前述の側頭部と後頭部あたりが気になり、月2回ほど行く。
  2. 育毛剤屋
    これまでいくつか試しているが、毛髪が生えるどころか、減る一方だ。
  3. 帽子屋
    禿げてから、いくつか買うようになった。娘達にも貰った。
  4. シャンプー屋
    抜け毛が気になり、やや高めの商品を使っている。

以上の四つである。


余談になるが、
妻は頭皮どころか頭脳でもお悩みなのか、他は安物なのに、驚く程高価なシャンプーを使っている。実は1、2ヶ月失敬していたことがある。何せ減り方が倍のスピードなので、すぐに底をつき、無断借用がばれてしまった。

いつもの優しい妻は何処へやら、首を絞められ、もうすぐあの世に行くところであった。「金は僕が運んでいるんだ。」と心で叫び、現実には「ごめんなさい。」と謝り、一件落着。

斯様にして二人して社会貢献しているのだから、そろそろ恩恵を蒙っても良いと思うのだが・・・。

恩恵といえば耳の遠い人は長生きするというが、残念ながら禿が長生きするとは聞いたことがない。朗報を待っているのだか・・・。

さて、久しぶり可愛い孫を見せてやると孝行息子が来訪して、一献を酌み交わすことになった。

「今夜はとても楽しいわい。」と思っていると、息子がしみじみ私の顔を見ている。

「お父さん、ここまで育ててくれてありがとう。」と謝辞でも述べるのかと楽しみに待つこと一分。

「お父さん、頭が顔の延長になっているから、シャンプーいらないよ。洗顔石鹸一つで大丈夫だよ。」

「何くそ、これからも精々社会貢献にハゲむぞ!」