日本人の血
昨夜、7年後のオリンピック開催が東京に決まり、日本中が大いに沸いている。
もう翌日の新聞には早くも会場の青写真が載ったり、経済効果が何兆円とか大変な騒ぎになっており、何はともあれ目出度いことに違いない。
私はその時日本は何を誇りとし、全世界に何を魅せるのだろうかと思った。又何をおもてなしとするのかと考えてしまった。
国を揚げてのセレモニーであるから、関係者の方々は立派な、又、心の行き届いた競技場や選手村作りに並大抵でない努力を昼夜惜しまないことであろう。食事、案内、交通など〱私には想像の及ばないことであり、これからが正に正念場を迎えることになるのであろう。
そして何より、これから選手になられるであろう若い人達は研鑚の日々を重ねて行かれるのであり、それが非常に楽しみに思われる。
外国からの観戦者はオリンピックだけではなく、日本の文化、文明に触れる事も楽しみにして来られるだろう。
私だったら、何処を案内するだろうか。京都の金閣寺に銀閣寺、奈良の東大寺に春日大社などが真っ先に思い浮かべられる。外国のスケールの大きさとは又違った、小規模ながらも日本らしい精緻さ(侘び寂びというのだろうか)寂とした荘厳な建造物の代表と言えるからだ。
又姫路城などにも是非足を運んで貰いたい。
そして裾野にまで朝日に夕陽に輝く富士の全容であり、更に世界中に広まった寿司をはじめとする食文化である。
書いていたらきりがなく、私の方が楽しくなって来た。
だがわくわくばかりしておられない。「フクシマ」の問題がある。海外の方々は、大きな関心を持って来日されることだろう。
2020年のその頃は原発問題も解決し、美しい街福島になっていることだろう。美しいとは表面的なことだけではない。ここ福島から全世界へ街作りの情報発信地、言うまでもなく諸々の天災地変に耐え、22世紀の未来へ繋がる子供から高齢者まで安心して暮せる街、それでいて活気のある街の手本となる都市の建設であり、それこそが、震災の時、温かい手を差し伸べて下さった各国の方々へのお礼と言えよう。
私達には農耕民族の血が綿々として流れている。共に苦しみ、共に助け合って来た血が繋がっているのだ。
来日された世界の方々にこの血を五輪に生かし、笑顔を持って優しく丁寧に思いやりのある心で接したいと思う。これが何よりのおもてなしであり、日本人の誇りであり、魅せることにもなるのであろう。
それには私も不得手な語学を少しは学習しておく必要があるようだ。
私にとって二度目の世界の祭典の五輪であり、7年後が今から待ち遠しく思われてならない。
